徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 


*百二十六段*<想い出の断層−40−>2008.6.27



 最近、車を運転する機会が少なくなってきた。そして買い替えのサイクルも長くなっている。
 免許をとったのは二十歳の時、長兄がすぐに中古の「スバル360」を買ってくれた。テントウ虫の愛称で呼ばれていた。その名の通り360CCの排気量、馬力は18馬力・・・車の出力を、当時は馬力と言っていた。18馬力とは馬18頭の力か。排気量も最小だし、馬力も日本で最小だったろう。
 この車には燃料計がなかった。適当に走ったなと思ったら、燃料タンクの蓋を開ける。その蓋にはスチールの棒がついていて、ガソリンのある部分は湿っており、無い部分は乾いているから、その色を見て燃料の減り具合を判断する。これは、はっきり言って不便だった。緊張感が必要で、時々燃料タンクのキャップを開けて残量を確かめなければならない。その緊張感のせいか、なぜかガス欠になったことはなかった。

 エンジンの冷却方法は、空冷式だ。水冷のように冷却水は使わないので、メンテナンスは楽だ。ただし、冬が困った。エンジンを通過した少し暖まった空気がキャビンに送風されるのだが、これがほんの僅かな量で温度がやや温いという程度なので、真冬は全く効果がなかった。毛布をひざにかけながらの運転だ。恋人にしようとする女性を乗せるには勇気のいる車だ。真冬が特に弱点だった。
 スバルのあとのマツダの「キャロル」は水冷だったので、暖房がしっかり効いて暖かかった。

 この車のスプリングが特筆ものだった。リヤサスペンションがトーションバーという一本の丸棒のしなりを利用してのバネだった。乗り心地が柔らかく、軽自動車にぴったりのサスペンションだったのではないか。

 スバル360は、ドイツのVWのビートル・・・カブト虫・・に似ていた。マツダのキャロルのリアガラスは、クリフカットという斬新なデザインだった。
 当然、現在とは違う、欧米に追いつき追いこせの気運にあふれていたのだろう。

 スバルに続いて、軽自動車をその後も四台乗ることになる。それは次回の−想い出の断層−で書いていきたい。車の話で、しかも昔の車だ。退屈なものになったらお許し願いたい。




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