徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−

*十四段*<想い出の断層−5−>2007.10.25

 中学の三年から高校生の時に音楽がやりたくて仕方がなかった。歌謡曲やポピュラーもラジオで聴いてはいたが、なぜかクラシックに目覚めていた。中学生のときに、名曲の主題を縦笛や横笛、(当時はスペリオパイプ、とかスペリオファィフとか呼んでいた。)で吹けるように鈴木 毅先生が藁半紙に手書きで書いたものを印刷して配ってくれた。そのなかにメンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルトの第1楽章の冒頭の甘いメロディーがあり、ベートーヴェンの田園の第5楽章の嵐の後の喜びと感謝のテーマがあるのだ。中学生でクラシック音楽に目覚めた者にはとてつもなく美しく聴こえた。それが自分の下手な縦笛や横笛で吹けるのだ。うれしかった。
 高校生になると音楽へのおもいはますます深まった。しかし、気づいたのが遅い事と4人兄弟の三男、家にはお金もなかった。 その思いは主に聴くことで満たすようにしていた。レコードプレーヤーをラジオとテレビにつなげステレオで一応は聴いていた。レコードはLPと呼ばれた30センチ盤は値段も高くめったに買えない。45回転の17センチのEP盤を買っていた。楽章の途中で裏返さなければならない。一楽章で一枚だった。未完成交響曲も第1楽章の途中で裏返した。そして一度に一枚しか買えないとなると、聴 く方も本当に未完成交響曲だった。第2楽章を買えた時は、かなり後で、こんなレコードの買い方をしていた高校生がいたということだ。 苦労も多ければ喜びも大きい。いま振り返るとそう思う。

 当時の高校生の生の演奏会の聴き方を次に書きたい。

      
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