徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 


*百四十二段*<習志野文化ホール…様々な想い>2008.8.12

 17日に、ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番とショスタコービチの交響曲第五番のプログラムの指揮をする。会場は習志野文化ホールだ。ホールは開館30周年を迎えるという。

 私が習志野市に勤務するようになってから、このホールとの縁ができた。開館6年目くらいの時か・・・。JR津田沼駅の真ん前に建つ、交通の便がすこぶる良いところだ。公共のホールでこれだけの一等地にあるホールは数少ない。公共のホールの多くは、駅から離れた所に建築されていた。その頃、駅前に建築されたこのホール・・・当時の市長さんの音楽への並々ならぬ熱意を、今更ながらに思い出される。

 八年前にこのホールで指揮をした。その中の一曲がラフマニノフのピアノ協奏曲だった。久しぶりのホールに心が躍る。コンクールの録音に、定期演奏会に、どれだけこのホールにお世話になったことか。そうだ、校内の合唱コンクールをホールで開くことができたのもこのホールのおかげだ。それに刺激されてか、近隣の学校が合唱コンクールを体育館からホールで行うようになってくれた。

 最近でこそ音の良いホールは増えてきたが、多目的ホールでありながら、このホールは響きがよい。演奏していても聴いていてもすこぶる気持のよい音がする。千葉県内ではパイプオルガンを備えた初めてのホールだし、「文教都市習志野」を標榜してきた市長の姿勢が顕著に表れた類まれなホールだと思う。

 今年の八月だけでオーケストラの演奏会が四回も開催される地方のホールは、このホールだけではないだろうか。ホールの周りの商業施設はずいぶんと変わった。オープン当時の施設は残り少なく、シビアな経済活動を思わせる。そんな中でも文化の象徴ともいえるホールが活発に使われ、もちろん自主公演の企画も健在だということは、頼もしい限りだ。

 この10年ほど、私自身が住んでいる千葉ニュータウンでのオーケストラ演奏会を開催してきた。それは、それなりの役割を果たしただろうし、地元にもオーケストラができ、演奏会を開催するまでになった。私の役割は終わった。

 これからは、習志野文化ホールでの演奏会だ。何となく古巣に戻ってきたような気がする。うれしいのは、習志野時代を覚えてくれていて、今回の演奏会開催を聞いて連絡をしてくれた人がいたことだ。

 演奏会当日は、様々な想いを噛みしめながら指揮をするだろう。今日の私の基盤を作る手助けを知らないうちにしてくれたホールだ。建築物ではあっても、このホールで演奏をすることができたことを思えば、ありがとう、と感謝の言葉を伝えたい気持ちになる。

 8月17日の午後1時45分開演・・・是非、ご来場ください。




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