徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 


*百七十一段*<合奏コンクールの一日>2008.10.12

 合奏コンクールの日だった。47回目のコンクール、実に50校近くが参加しての一日だ。小学校、中学校、高等学校と年齢の成長の差だけではない、それぞれの校種の違いとでも言おうか、とにかく、参加校一つ一つが個性的であり、感心しながら聴いていた。仕事をしながらなので、全部は聴けなかったのだが・・・。

 高校生のボランティアを含め、100名あまりの裏方の献身的な働きにも敬服した。もちろん今日の本番当日だけではなく、参加要項の作成、ホールの予約、申し込み受付などを思えば、さらにその尽力に思いをはせざるをえない。

 今日、舞台で演奏した児童、生徒の裏側にも数え切れないくらいの、支えの人の姿を想像するとなおさらにこの一日の貴重さも増すというものだ。

 表彰式の後に、「先生・・・」と声をかけられた。初任の中学校で生徒だった人だった。30年余前の記憶だ。すぐには思い出せない。旧姓を名乗ってくれた。面影が記憶を呼び起こしてくれた。担任とかではなかっただけに、記憶をたどれたのがうれしかった。

 子どもさんが、参加校の児童だとのこと、あらためて時の経過を感じ、また、音楽のコンクール会場で偶然に出会えたのにもうれしさが増してきた。

 「教師とは哀しきものか、老いつつも 一人ひとりの児ら 忘られず」というある教育者の言葉を思い出した。それほど、よい教師とも思えない私だが、それでも、一人の生徒の記憶を瞬時に思い出せたことが、ほんの少しの教師のはしくれのような・・・、これもほんの少しだが誇らしかった。

 「秋の日を 輪廻の・・・」そんな詩を思い浮かべながら、満足と、同時にそこはかとない寂しさを感じながら秋の一日が過ぎて行った。



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