徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 


*百七十五段*<「ウィーン…」という名前>2008.10.23

 演奏会があるとホールの入口で他の演奏会のチラシを渡されることが多い。大きなホールの演奏会を聴きに行くと、透明のビニールに入ったずっしりと重いチラシ集だ。チラシは量が嵩むと重いし、大きさもA4だし、中にはホールのゴミ箱に見ないでそのまま投げ込んでしまう人も見かける。

 最近は時期的に新年のニューイヤーコンサートや年末の第九のチラシが目立つ。

 これらを見ていると、「うん?」と思うことがある。

 1月に開催されるニューイヤーコンサートだが、ウィーンのオケが圧倒的に多い。「ウィーン・シュトラウス…」とか「ウィーン・アンサンブル…」とか、少しずつ名前が変わっても、ウィーン…とつくのは同じだ。

 ある日の演奏会のチラシを見てみたら、何と9枚がウィーン…のニューイヤーコンサートのチラシだった。

 需要があるから供給されるのだろうが、1月4日だけで4つのウィーン…のオケがニューイヤーコンサートを都内を中心に開催する。日本の音楽事務所の招聘だ。都内だけ一ヶ所で公演を開催するとは考えにくいから、全国のいくつかの会場でも同じプログラムで開催されるのだろう。これには驚きだ。

 新年を喜ぶニューイヤーコンサートだ、と思えば喜ばしい限りだが、大枚のお金をはたいて、日本人がウィーン…  という名称のオケ(もしかしたら臨時編成かも知れない…)のシュトラウスのワルツやポルカの演奏を聴きに行く。
 日本人はウィーンが好きなのかも、とも思えるし、見方を変えれば、ウィーン…という名前に弱いのか?とも思えるし、それで、「ウィーン…」と名称のオケを聴きに行くのか、とも思えるし、いろいろ思える。

 たまに海外のオケの日本公演で、何だか熱のない演奏だな、もしかして気持ちが入らないのかな?、と感じる演奏に出会うこともある。そんな時には、日本には出稼ぎに来ているのか、と余計なことも考えてしまうこともある。

 日本人が日本のオケや演奏家をもっと聴いて、育ててやる方がいいのにと思うことは事実そう思う。聴く側の自由だと言ってしまえばそれだけだが、何となくの海外演奏家崇拝や本場の…とか、で飛びついてしまうのはどうかな?と疑問に思うところだ。

 もし日本が音楽会の草刈り場になっているとしたら、悲しいことだ。



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