徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 


*二百九十九段*<24年のお付き合い>2009.7.4

 指揮法のレッスンで使っている楽譜のなかで、とりあえず重いものを書棚に入れて鞄を軽くしようとした。厚いピアノの楽譜で、何も考えずに空いている場所に入れたのだが、その隣にアルバムがあり、背表紙に「中国演奏旅行」とあったので、思わず取り出して、しばし見てしまった。1985年とあるので、もう24年も前になるのか。思い出した。そうだった。夏休みを利用して、演奏旅行のための打ち合わせに、旅行会社の人と初めて中国に行った。その時、北京にいる時に生まれたのが息子だから、まさしく24年目だ。帰国して病院で対面したのは一週間後だった。

 所用で昼間の電車に乗っていて、自分が歳をとった・・・としみじみ感じたことがある。車内はすいていて、ほとんどの人が座っていた。しばらくしてから、何組かの若い人たちが元気そうに話をしているのに気づいた。私は体調がいま一つの感じだったので、半分うつらうつらしていた。愕然としたのは、若い人たちが元気そうに話をしていて、私を含めた年配の人は大体がしおれているなあと思った時だ。自分も若い時はあんなに元気があったのかと信じられない思いをし、同時に自分の老いも自覚してしまった。シルバーシートに座ってもいいのかも知れない。老いを受け入れるのが当然だろうと反省もした。

 中国の演奏旅行でお世話になった旅行会社のKさんが、つい数日前に定年退職とのお知らせをいただいた。冒頭に書いた旅行会社の人だ。お互いにアルバムの写真の中では若かった。近いうちにお会いすることになる。24年以上ものKさんとのお付き合いになる。律儀な人で、私が転勤する学校へは必ずお邪魔するといっていたが、そのとおりに実行した人だ。勤務先が変わったのが10回くらいにはなるのに、約束を実行することがすごい。それも仕事抜きで・・・だ。

 私の周りの人は、完全に私よりすべての面で勝っている人ばかりだ。己の劣っているのを居直っているわけでもないのだが、自分のポジションが楽に感じるのは事実だ。だから、長い時間の人間関係が保てる。長期間人間関係の保てる人はそんなに多くなくていい。ほんの数人いれば私には十分だ。
 Kさん・・・会社の再雇用制度は使わずにセカンドステージを独自に考えるそうだ。この潔さも好きなところだ。Kさんの退職祝いと還暦祝いの会をやらねば・・・5人くらいでの「お祝い会」が義理の伴わない心からのお祝いができる人数だと思う。

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