徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 


*三百四段*<地上の星>2009.7.15

 新日鉄音楽賞の授賞式があった。今年の受賞は弦楽四重奏・エクセルシオ、特別賞が金山茂人・東京交響楽団理事・最高顧問であった。

 エクセルシオが常設クワルテットとして15年間の演奏活動、金山氏は30年間の東京交響楽団楽団長としての功績に対しての表彰だった。

 やはりどんな世界でも長期間の継続は難しく、だからこその価値の高さだと思った。むろん、同様の活動を長く続けている人は他にもたくさんいるだろうし、それぞれ違う社会で地道な努力を継続している人がいるのは間違いないだろう。そんな人を「地上の星」と呼んで紹介していたドキュメンタリー番組があったことを思い出した。地上の星は宇宙の星のように輝いては見えないから見つけるのが難しい。

 ひとつのことを続け、やがてその得たものを次の世代に引き継いで行く。あるいは、自分達の世界を拡げることに目を向ける。そうやって人間はその社会での役割を担い、役割を果たし、役割をバトンタッチしていくものだと最近わかってきた。

 そういえば、金山氏が言っていた。日本には閣僚が17人いるのだが、「文化」の文字がつく閣僚は一人もいない。と・・・そう考えると文化庁は相変わらず「庁」のままだし、文化の大臣は確かにいない。このことがわが日本の、あるいは日本人の文化への必要性や価値感を物語っている。経済的には新興国と呼ばれている国でも「文化省」にあたるものがあるのだそうだ。経済大国と言われて久しい日本が文化小国とは・・・島国だからか、鎖国が長かったからか、敗戦国だからか・・・
考えると背筋がさむくなる。

 企業が社会貢献活動に目を向けているのは、うれしいことだ。今は世界不況の中だから、どんなところでも苦しいことにはかわりがないだろう。どの部分でも少しずつの我慢でこの経済不況をのりこえなければならないようだ。
 企業の文化活動への助成も、演奏団体に向けられており、聴衆の購入するチケット代にまでは反映されてないようだ。
 それにしても、根本の文化への発想が画期的に変わらない限り、日本には「ベルリンフィルハーモニー管弦楽団」は生まれないような気がする。

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