徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 


*三百二十四段*<官僚たちの夏−その4−>2009.9.2

 「官僚たちの夏」の第2部が9月6日から始まる。8月30日の総選挙で政権交代が決まった時でもあるし、昭和の時代の官僚を描くこのドラマは、まさしく時代をとらえたタイミングのいい企画だ。

 私は特にどの政党に肩入れをしているということはないのだが、会社や組織の大部分は適当な時期に世代交代とか、経営陣交代とかが適宜行われてきているのに、政権だけは何十年も同じということに違和感を覚えていたので、今回は当然来るべきものが来た、という感じでニュース速報を見ていた。

 しかし、報道は姿勢が相変わらずだ。政権が発足してもないのに、スタートしたらここが危ういとネガティブなニュースを流している。報道は政治よりももしかしたら保守なのか、唯我独尊なのかと思えるくらいだ。政権与党のベテランの党も選挙での劣勢が報道されると野党を攻めるネガティブな姿勢に変わり、余計国民の信を失ったのではないかと思った。基本的にネガティブはだめだろう。生き様としてもよりポジティブに思考するのが正解だと思うのだが、人間、苦しくなると何でもやってしまうものだと改めて人間の「原点」を見たような気がする。

 そう「官僚たちの夏」だが、第2部の開始の前に特集番組を組んで、セットや撮影エピソードを紹介していた。昭和の家庭の様子はまさに私の世代の家庭の様子だ。洗濯機や冷蔵庫、テレビなど・・・我が家に順番に入ってきた。貧乏といっていい我が家は、それらの品が買えたのは普通よりも遅めだったと思う。だからこそか、「神器」と思えるほどにうれしかった。洗濯機や炊飯器が買えれば母が喜ぶ。母の喜ぶ顔を見て子どもの私もうれしくなる。そんなごく当たり前の光景だ。そういえば、父と母の夫婦喧嘩が子ども心にたまらなく嫌だった。そんなときのことをつい忘れてしまうのが今の私の姿だ。思えば情けない。

 ミスター通産省の執務室も再現されていた。つまらないことを思い出した。K市で校長をしていた時の教育長との面接だった。私が校長室の机を廊下側に向けて置いていたことを、窓に向って机を向けて子どもたちの様子を見ろ、と指導をした教育長がいた。入り口に背を向けて机を置け、とは教育長が校長に対していう言葉かと思ったが、その市ではほかの校長さんは全部そうやっているとの隣席にいた学校教育部長の言葉に「そうですか」と言った私だが、その理由をもっとしつこく聞くべきだったと今でも思っている。その時からその小心者の上司がすっかり嫌になってしまった。ミスター通産省の「風越」はさすがにそんな小さいことは言うわけがない。自分の部下を育て、国を思い、国民の生活を豊かにするために邁進する「風越」の姿こそが官僚のあるべき姿だろう。ところで、前記の二人の教育官僚はもう退職した。その市の学校教育にとって幸いなことだ。少し遅きに逸した感はするが。

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