徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 


*三百三十三段*<歴女&鉄ちゃん>2009.9.17

 歴史ブームだそうだ。「歴女」と称せられる人たちがいるとのこと。その人たちのすごいところは、本やグッズを読んだり集めたりするだけでなく、たとえば関ヶ原に行って、当時の陣地に立ち、武将たちの思いを想像し、時には共感し、涙が出る、というところだ。

 鉄道のマニアは「鉄屋」とか「鉄ちゃん」とか呼べばいいのだろうか。「地図鉄」「乗り鉄」のような呼び方もあるようだ。関ヶ原では、不利を察した島津藩が、急に方向転換をし、敵陣の中を突っ切り、逃げ切るということがあった。いまの「歴女」はその道を自転車で実際に走ったりもして、その時の島津藩主の決断をその現場にいるということで疑似体験をするようだ。

 打ち込めるものがあるのはいいことだ。歴史に打ち込むとか鉄道に打ち込むとか、心に一つの芯ができるのかも知れない。夢中になる効能だ。同好の人たちで共通の話題で話が盛り上がれば、人生もまた楽しいともいえる。

 「追っかけ」も、人生を豊かにする一つの方法かも知れない。追っかける方よりも追いかけられる方になりたいと思っても、それはなかなか難しい。音楽では歌謡曲、ポピュラー、バンドなどで熱狂的な追っかけがいるのだろうが、クラシックでははたしてどうなのだろうか。

 薬師寺の日光・月光菩薩の展示や阿修羅展などの入場者の多さを考えると、現代に生きる我々は何を求めているのだろうかとふと思うことがある。ゴッホ展、ゴーギャン展をやった時も多くの人が会場に詰めかけた。ずいぶん昔にゴッホ展があった時には絵を見ているのか、人を見ているのかわからないくらいのラッシュアワー状態に遭遇したこともあった。

 「歴女」から話はどんどん変わっていくが、江戸時代の「歌麿」「北斎」の絵は圧倒的な説得力を持っている。残念ながら「歌麿」の絵は現物を見たことがないと言ってもいいくらいに疎い。北斎の絵は「北斎」館で見たことがあるのでリアルに感じ入った。長野県の小布施には北斎にちなんだ施設がある。ガイドブックにもちろん載っているくらいに有名だし、観光コースにもなっている。町全体が落ち着いた感じで長くいても心地よい。観光地でもこんなところはお勧めだ。上田市の「無言館」も戦争で若くして亡くなった画家の絵が、胸に迫る。このあたりの別所や鹿教湯は風情のある温泉地でもある。信州の富士見、小淵沢、清里、別所、鹿教湯、蓼科などに憧れをもっていってきたときは遠い過去になりつつある。
 若者には「旅」を勧めたい。青春時代でなければ感じられないこともあるのだから。

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