徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 


*三百五十八段*<県民合唱団の男性>2009.11.9

 秋の匂いがあるのだという。それは「桂」の葉の匂いだということだ。季節には確かに匂いや香りがある。四季のある日本では、一年に4回の変化を感じることができるということだ。四季のない国では、匂いは一年中同じということか。

 それにしても、温暖な気温の中で一年を過ごせたら、それはそれで快適だろうと思う。身が縮こまるような冬の寒さを感じなくて済むのだ。関東地方という日本ではちょうど真ん中あたりに住んでいるものでも、冬は厳しいと感じるのだ。北海道の寒さは段違いに寒いということも、冬の北海道で体験はしている。何日間かのわずかな滞在の旅行者でも其の寒さは厳しい・・・と思った。そこに住んでいる人は何ヶ月間もその中での生活だ。学生時代の友人が北海道出身だった。冬の北海道への旅はお勧めでないということだった。それでも就職は北海道がよいと言い、その通りにした。

 故郷はそういうものかと、なんとなくわかるような気がした。

 前段に少し書いた千葉県民合唱団のことだ。何回も参加されている団員は男性が多いように思う。ソプラノ、アルトはその年でメンバーの変わる率が高いのではと感じる。そう思えば不思議なもので、歌声も男声の方が気持ちのまとまりがあるように聞こえる。単純に考えると、女性の気の変りの早いことと、男性の一途さ・・・とでも言えようか。女性の生きる力の源とも思えるし、男性の強そうでもろい肉体と精神の現れにも思う。

 男声の団員の話を聞くと、このような県民合唱団、市民合唱団のかけもちの方は男性が多いとのこと。なるほど、有名な曲はおそらく十八番になっているのだろう。指揮者や合唱指導者の方が逆に値踏みをされたりしていて・・・。これもまた逆に「楽しい」ことだ。

 たとえば、会社を退職されてから、おそらく社員のうちは十分にできなかった合唱を思う存分にやれるという人生はなんと幸いなことか。そして人間の声というものは、ほとんど年齢に関係なく持続できるものだとも感じる。このことに思いを至らせてくれる県民合唱団の男性の団員の方々は人生の先輩でもあり、音楽の先輩でもあると思う。この一瞬だけは、女性よりも男性が好きだ・・・と思える。本当に一瞬なので、正気に戻れば当然女性が好きなのだが。

 県民合唱団の前では「新型インフルエンザ」も影をひそめる感じだ。大きな部屋だがそれでも二百人くらいが入り、大きな歌声を響かせている。おそらくウィルスだってあるのが当然だ。でも、その時の団員のエネルギーを前にすると「インフルエンザ」という言葉を口にするのがなぜか場違いなくらいに感じる。合唱団員の「インフルエンザ」を心配するまえに、自分自身を心配した方がよさそうだ。

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