徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 


*三百八十二段*<感謝>2009.12.22

 NHKの「トップランナー」は面白い。いつもそうだが、番組に出会うのは「偶然」が大部分だ。予習をして、とか事前研究をして・・・ということを基本はしないから。

 題名の通り「トップランナー」だ。当然若い人が多く登場する。職業のジャンルは問わない。「トップランナー」だった人ではなくて、文字通りの「トップ」を走る人だと思わせる。才能か、努力か、どっちが先かは不明だが、年齢に関係なく人をひきつけるものを例外なく持っている。

 なぜか、クラシック音楽の世界はあまり取り上げられることはなく、印象的なのはヴァイオリニストの「S」さん、だった。難しいものを難しいままに表現するのは当たり前という。そのとおりで、「難しいものを・・・優しく、易しく、わかりやすく表現することが」トップランナーの条件のような気がしてきた。

 表現者として多くの人には考えられないような方式とか、方法とか、技術とかで、予想もつかない表現をするほんの少しの人の存在を思うと、神は天才と凡才とを作ったとしか思えなくなる。

 ある旅行会社の人から、カレンダーとダイアリーが届いた。昨年はなかったのだが、それはご本人が病気をしていたのが昨年の年末だったとのこと、今年は回復して例年通り美しいカレンダーを贈ってくれた。彼の気持ちもうれしい。仕事上の利益になるような付き合いは、今はないのだ。そうなって、何年も経つのに年末の挨拶を忘れていないとは・・・。特に最大手の旅行会社の社員の人だけに、その義理堅さに頭が下がった。「あの時の恩は忘れませんから・・・」彼の言葉だ。私は恩を売ったつもりはないのだが、彼はそう思ってくれている。それだけでうれしいではないか。そう、そのカレンダーは企業の宣伝を超えて作品として素晴らしいものなのだ。市販もされている。

 今年、退職した別の旅行会社の人とは、一昨日に会った。少人数の忘年会だ。彼は、私の演奏会には時間の許す限り来てくれる。しかも今年は彼の居住する町内会の文化イベントとして、何十人も演奏会を聴きに来る企画を実現してくれた。

 旅行業は人に喜んでもらう仕事だとよく言われる。確かにそのとおりだ。残念ながら同じ職場で苦労を分かった人たちが、仕事を離れるとごく自然に他人になっていく中で、異業種の人との長年の交友を維持できることの喜びを改めて思った。

 本当に異業種の人の中に私の信頼できる人間がいる・・・このことがいかに自分の精神を豊かにしてくれることか。私の心を潤してくれる何人かの人たちに「感謝」だ。

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