指揮者 Conductor
高橋 利幸 Takahashi Toshiyuki


徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 



*四百三段*<二大レクイエム>2010.3.2



 一期一会とも言える千葉県民合唱団との二大レクイエムの公演が終わった。八か月におよぶ県民合唱団の人たちには、ひたすらその努力に敬意を表するばかりだ。公演終了後には解団式があり、連続10年出場の方々が表彰されたとのこと・・・たまたま乗り合わせたバスの乗客の方にその団員の方がおられ、バスの中でその話を聞いた。さらに頭が下がった。

 演奏は練習の成果を十分に出され、技術的にも優れたものだと感じたし、何よりも熱い合唱への想いが伝わってきて、素直に感動できる人間的な、いや、人間のそれぞれの生き様さえも感じさせる魅力あふれる歌声だった。

 オーデションで選ばれた声楽ソロの人たちも力を示された。若い人たちだ。これをきっかけに大いに飛躍してほしいと強く願った。
 300人の合唱団を組織し、練習計画や、本番までの準備、舞台設営にあたった千葉県文化振興財団の職員の方々には言葉では言い尽くせないほどの感謝の意を伝えたい。演奏会の裏方の役割はもちろん大きく、しかし、目立つことのない仕事内容になるのだが、その方々がいなくては演奏会自体も持てないし、毎年新しい県民合唱団を組織し、ひとつの事業をなし遂げるには、単なる義務感だけでは成就しない。そう思えば一人ひとりの熱い魂を感じてくる。

 今回は通常の演奏会よりも会場と舞台がひとつになって、一瞬の時間を共有できるよう試みたのだが、指揮者のアンコール前の喋りについては評価が分かれるところだろう。無言で終わり、音楽そのものですべてを表現するのも一つの姿だろうし、指揮者がその思いを少しだけ口にして聴衆のみなさんに伝えるのもたまには「あり」か、とも思う。

 できるだけ、長くこの事業が続いてくれることを祈りながら、充足の一日が過ぎて行った。

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