指揮者 Conductor
高橋 利幸 Takahashi Toshiyuki


徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 



*四百十四段*<こころの遺伝子>2010.4.13

 今週は寒暖の差が激しく、それも1日おきに真冬と真春(こうは言わないだろうが)が交互にくるのだから、体が追いついていかない。

 昨日はそれに雨が加わって、厳しい天気と気温になった。夜、外出する用件があり、傘をさして、しかし、それでも荷物は雨に濡れた。風も強く横殴りの雨だった。
 今日の外出は楽だった。昨日は冬のコートを着てもまだ寒く、雨の中の徒歩は厳しかったが、今日はコートはもちろん、上着も不要なくらいの暖かさだ。平地では一日単位で天候が変わるが、これが山だと時間単位になるのだろう。人間も生物としてとらえれば、小さな弱い存在なのだと思い知る。

 なんとなく感じたこと・・・ 気のせいか、最近は春夏秋冬がはっきりしなくなっているように感じた。地球温暖化と定まらない気候は関連があるのだろうか。明日からはまた気温が下がるという。近くで見る桜の花が困っているように咲いている。少なくとも私にはそんなように思えた。花を散らそうと思っていると気温が下がり、思いとどまり、思いとどまると、急に気温が上がり・・・で、さて、どうしたものかと思いあぐねているように見えた。

 「こころの遺伝子」という番組を見た。シンガーソングライターの「アンジェラ・アキ」さんの心の遺伝子だ。ワシントンDCの福祉関係の会社に勤務しながら、夜はライブハウスで歌っていた彼女を見た上司が「自分に賭けろ、音楽をやれ!」と勧める。この言葉が彼女を変えたようだ。それに、目標達成の具体的な思考方法を学んだことか。

 短期の目標、中期の目標、長期の目標と数字を挙げて、それを達成するための努力をする方法だ。目標による自己管理・・・とでも言えようか。そして一番短い今の生き方が重要なのだと説く。”今”が先に続くのだからそのとおりだ。

 私の、中学校教師時代の上司が掲げたモットー・・・中学生につけてほしい「力」をこう表現した。「自律・意志力・表現力」・・・短い三つの語句だが、これは中学生ではなく、私がつけたい、というか、つけなければいけない「力」なのだった。本当は。
 この時の校長先生のО先生にはわずか2年間だったが、いろいろ教えていただいた。むろんその後もなのだが。勤務先が変わり、自分の立場も変わり、日々に追われるようになると、いつも自省する「忙しい」という免罪符の登場だ。だんだん疎遠になる。そして知らぬ間に時が流れる。

 私の指揮での演奏会に来て下さったのは、何年前になるのだろうか。
 春の宵は、生物の誕生と成長を予感させてくれる。それと同時に、もろく、はかない・・・という虚無感をも感じさせてくれる悩ましい季節でもある。

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