指揮者 Conductor
高橋 利幸 Takahashi Toshiyuki


徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 



*四百三十三段*<マンドリンオーケストラ>2010.6.27

 マンドリンオーケストラの演奏を聴いた。指揮は、指揮法の昔の教え子だ。名門慶応義塾大学マンドリンクラブの指揮者。高校生のときに慶応の制服を着て、指揮法を尚美高等音楽学院に学びにきた生徒だった。

 3年前に再開を果たした。ホームページを見ての彼からの連絡だった。それから何回も酒席を共にしてきたのだが、彼の演奏会に行く機会を作れなかった。今回は、日程をかなり前から確認し、前々からこの日を空けておいての今日の演奏会だった。
 180人のマンドリンオーケストラ、圧巻だった。その繊細な音色と一糸乱れぬ演奏に驚いた。それに創部100周年の記念ということで、現役、卒業生が一堂に会しての舞台、客席もお祝いムードにあふれていた。

 3人の指揮者が指揮を担当した。私の関心はもちろん、30年ぶりに見る彼の指揮だ。これが、見事に斎藤秀雄の指揮法メソードに沿ったもので、基礎を学び取ってくれていたことに安心をし、そして彼の豊かな音楽性に心打たれた。

 この徒然草に登場したことのある久保光司くん、がその人だ。高校生から最近までの時の流れをまた思った。不思議なことに、高校生の時の魅力が変わっていない。充実の時を過ごしてきたのだろうと、推測できる。

 日本を代表する化粧品メーカーの課長職だ。その彼が、また日本を代表するマンドリンオーケストラの指揮者でもある。本人の能力と努力と人柄の賜物だろう。そのことは、何回かの飲み会のときにすでに感じていたことだ。久保君は何人かの友人を伴っての参加、私も何人かの友人を連れての参加の飲み会だ。いつも、気持ちのよい人を連れての彼の姿から、彼の存在がわかってくる。

 マンドリンオーケストラの存在もはっきりしてきた。管弦楽、合唱、吹奏楽の指揮をしてきただけの私には想像もつかない世界だった。編曲さえ上手くすれば、マンドリンオーケストラでほとんどの管弦楽曲の表現が可能なのだということ。それに、プログラムに折り込まれたチラシが全て、他の大学や一般のマンドリンオーケストラのものだということで、マンドリンの世界の広がりと奥深さも感じた。

 慶応という歴史と伝統を誇る名門大学の底力も思った。サントリーホールの客席を埋め尽くした、おそらく大部分が慶応に何らかの関わりのある人だと思われる雰囲気・・・羨ましくさえ思えた。
 隣の全日空ホテルでは結婚式の新郎新婦がロビーで祝福され、ホール前のカラヤン広場では、そのまま記念撮影、遠い昔の若さを思い出させてくれたありがたい日になった。

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