指揮者 Conductor
高橋 利幸 Takahashi Toshiyuki


徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 



*四百五十五段*<協奏曲の演奏会>2010.12.27

 さすがに12月も終わりの週を迎えると、寒さも本格的に感じる。福島県では雪のために国道で車が立ち往生している画像が流れた。息子が小さいころ、スキー場へ行くときに何回も通った国道なのだが、そのころはいつも雪は少なく、スキー場も人工降雪機をフル稼働させていた。スタッドレスタイヤが無駄に思えるくらいの路面状況が多かった。20年から15年くらい前のことだから、気候が変わったと考えればそのとおりだ。

 スキーか、懐かしい。長兄に誘われてスキー場に行ったのが大学生の時だ。兄のスキーのお下がりをもらって、練習も何もなくの初スキーだった。教わったのは、倒れたら谷川(低い方)に板を向けて起きろということと、止まるときはエッジを立てろ、ということくらいだ。自己流で始めて、何年たっても自己流を脱しなかったので、大した上達が望めないのは当然だ。息子はスキースクールに通っていたから基礎ができていて、上級者コースだろうと平気で下っていた。

 12月25日、ニューアーティストコンチェルトシリーズの1回目をルーテル市ヶ谷ホールで開催した。新進のソリスト3人がソロを担当した。オーケストラが協奏曲の場を提供する。それも、これからキャリアを積もうとする人のためにだ。フルート、ピアノ、ヴァイオリンの協奏曲だ。
 協奏曲のオケのパートはそれほど難しくなく、やはりソロを引き立てるように作曲されているので、団員にとっては少々欲求不満になるかもしれない。ソロに合わせるという神経を使うのは必要だし。自分たちのためにやる音楽会だけではなく、誰かのために自分たちが役立つという発想はなかなか持ちにくい。団の経営として見ても、団員の満足感も重要なファクターだから、コンチェルトだけのプログラムは組みにくい。

 初めての試みだが、お客さんもそれなりに満足されていたようだし、ソリストが、楽しかった・・・と言ってくれているので、やった甲斐はあったのだろう。
 3か月足らずのうちにベートーヴェンの「エロイカ」とピアノ協奏曲をメインにしたプログラムを披露しなければならない。ピアノには、本年度、中島健蔵音楽賞を受賞した飯野明日香さんを迎える。近代、現代のピアノ曲での演奏では高い評価を得ているピアニストだ。

 演奏は、奏者の技量と精神のぶつかり合いや、相乗効果や、逆に冷めてしまうことや、人間同士そのものの邂逅があり、それが生演奏の醍醐味でもある。約束事では終わらないスリルとも思える即興性がある。飯野明日香さんのベートーヴェンは・・・スリリングだ。

 早春の新しい出会いでの演奏会の指揮を楽しみに、年末年始を迎えようと思う。実際は、目に見えないプレッシャーを感じながら・・・というのが正解なのだが。緊張感もまた楽しいと、無理に思うしかない。
 年末恒例の第九・・・日本ではルーティンワークとも思える演奏が多い。私見だ。

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