指揮者 Conductor
高橋 利幸 Takahashi Toshiyuki


徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 



*四百六十三段*<大組織のおごり>2011.3.27

 3月11日の東日本大震災から2週間が過ぎようとしているのに、回復にはまだほど遠い。
 この大震災の呼称さえも定まらず、東北関東大震災だったり、東日本大震災だったり、東北三陸沖地震による大津波災害と呼んだり、いい加減にしてくれと、震災の呼び名ひとつを決められない日本政府とはなんだ?と思っている。

 3月24日に演奏会を行った。ここではそれには触れないでおく。東京でのクラシックの演奏会を予定通りに開催することさえも躊躇するような今度の震災だ。現地の方々の心労や喪失感を思うと、心が折れそうになる。物理的にしか震災の直接の影響を受けてはいない私でも、だ。

 津波を中心とした被害の甚大さと同様に、原子力発電所を稼働していた東京電力福島第一原発の被害も相当を通り越して、正に未曾有の災害だと思う。原子力発電所を災害から守れない会社が、はたして原子力を使った発電所を作り運営する資格があるのか。

 東電の配電地域では計画停電を実施しているが、行政区分と実際の停電の区分が違うことがあるとホームページに記載されているから、指定の問い合わせ先に電話したら、全く通じない。通じない問い合わせ先では意味がないだろう。どれくらい通じないか・・・夕方から夜中にかけてずっとそうだ。8時間も通じないрチて、番号を記す意味もないだろう。通じてこその電話だ。

 日本国を代表する電力会社がこのありさまだ。計画停電を整然とコントロールできない会社が、原子力なんて、元から無理だったのだ。これで、何年か経ってまた平然と会社が存在しているとしたら(その可能性は高いだろう)、そんな会社に生活のかなりの部分を占める電力供給を任せられるのか。会社が倒産する前のJALの機内での、イヤホンが使えない時のやり取りを思い出す。極め付けはこうだ。「このような、トラブルは、この機種ではよくあるんですよ。」これだ。この会社は危ないと直感した。エンジントラブルではないにしても、たかが、イヤホンだとしても、それが使えないことへの危機感のなさ、これがその会社の全てを象徴すると感じた。それから、間もなくだ。JALが会社更生法の適用会社になった。

 大きな組織は、得てしておごりが生まれる。電力会社には、7つの孫請け会社があると言われる。その会社や社員は悲惨だ。大きいということはそれだけ責任重大だということだ。
 ところで、日本一のメガバンクが、また、ATMが機能しなくなった。2002年の統合の時にも同様の故障が発生して、11年でまた同じような状況を招くとは、何を考えているのか、と攻撃されるのが当然だろう。銀行の支店長や役職者は他の会社よりも高給なことは、秘密にしていても誰もが知っている。それらの人々は最前線にいる社員のことも満足に思いやれず、暢気なものだ。

 日本を代表するメガカンパニーの経営に携わっている人たち、いい加減に目を覚ましてくれ。未曾有の災害という言葉を使うな。古代から現代まで自然とともに生きてきた人間なのだから、自然の優しさも厳しさも分かっているだろう。

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