指揮者 Conductor
高橋 利幸 Takahashi Toshiyuki


徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−
 



*四百七十八段*<忘れてはいけないこと>2011.8.19

 昨日までの気温と比べると10度も低くなってきた。今夕から明日にかけての気象予報だ。確かに過ごしやすく感じる。それにしても10度以上の気温差には体が順応できないのではとありがたくもあり、少々不安でもある。

 気温が下がったのを素直に喜べないとは・・・これが老化の証明か。

 文藝春秋の9月号の「運命を変えた手紙・86人のドラマ」を読んだ。実在の人たちの今も残っている手紙、短いものや長いもの、岡倉天心からの「愛猫」への手紙が含まれていたり、あて先も様々だ。
 「特攻隊員から母へ」享年23歳、林市造さんの手紙が、胸を打った。特攻隊の出撃前の心情が書かれてあった。逡巡も窺え、率直な心の吐露が痛ましかった。

 8月は終戦の月でもあり、広島、長崎への原爆投下の月だ。日本人の永遠に忘れてはいけないこの三つの重い事実を思う。さて、音楽の活動の中に、この忘れてはならないというメッセージをどう伝えたらよいのか。
 「終戦記念日」「広島」「長崎」原爆投下の記すべき日の重さが軽くなってきたと私は思う。これではいけない。
 今更になっての試行錯誤の開始だ。「今更・・・」その通りだ。今年の3月11日が過ぎてから、自分の心が変わった。

 明日は演奏会の指揮だ。リスト、ラフマニノフ、ブラームスのプログラムだ。鎮魂への祈りと、何かをしなければという思いが否応なく増してくる。

 招待券プレゼントで得た「招待券」をネットオークションで売買している人がいる。こうなると、世に悪事の種は尽きないとしか言いようがない。売っている人も買っている人も法律は犯してないという論法なのだろう。
 法律以前のことだと考えないのか。なによりもお金が最優先の考えが堂々とまかり通る世の中だと怒りと嘆きとともに認識してしまった。

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