徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−

*七十一段*<寝起きの音楽>2008.3.22

 一日の音楽・・・ある人は、食後に聴く音楽にふさわしい曲を数曲あげていた。なるほどと納得のできる曲名があげられていた。私はいまは聴くことよりも表現へむかう分量が多い。従って、純粋に癒やしとか精神の鼓舞とかを求めて音楽を聴く機会が少なくなってしまった。音楽に限らず芸術作品は享受してくれる人がいてこその存在だろう。

 クラシック音楽を生活の実働そのものに役立てるとしたら、朝は何といってもベートーヴェンの交響曲第7番だ。寝起きのための音楽にぴったりだ。序奏で朝が来たなと思い、ここはまだ寝床だ。次の展開部のホルンの強奏で自分を叱咤し寝床を出て行動を開始する。

 グリーグのペールギュントの朝はあまりにも美しいメロディーに再度睡魔がおそってくる。ブラームスのハンガリア舞曲の五番、六番は曲が短いから寝ながら鑑賞してしまう。

 というわけで、私の中での寝起きの音楽にふさわしいのはべト7の第一楽章だ。くれぐれも第二楽章まできいてはいけない。あの不滅のアレグレットはエーテルのように心を奪い、起きる気力を無惨に打ち砕いてくれる。

 それでも、その魔力はなかなか抗しがたく、そのまま再び睡眠に入るのが自然の流れかもしれない。こう書いていているうちにべト7の二楽章をBGMにして寝てみたくなってきた。




 

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