徒然草−日々思う、あんなこと、こんなこと。−

*八十一段*<恐るべし!ラフマニノフ>2008.4.4

 ラフマニノフのピアノ協奏曲のスコアを開く。久しぶりだ。何年ぶりだろう。私が記憶していたよりも、スコアへの書き込みが少ないことに驚いた。驚いたとは何とも呑気な書き方だが・・・。

 あえて書くと、「わ、これくらいの書き込みで本番の指揮をしていたのか・・・」とここまではいいとして、「よく、これで指揮ができていたな・・・」と感心したり、「本当にちゃんと振っていたのか」と不安になったり、「若いころはこれで指揮を出来ていたのか、今は年を取ったから、とてもこれくらいの書き込みではどうか、な・・・」とか、さまざまな思いが頭をかすめた。

 四曲のラフマニノフのピアノ協奏曲のなかで、二番が一番(洒落になって来た)知られている。曲を言葉で表すと、語彙の少ない私の表現だと、「憂鬱な」や「とめどもなく闇に引き込まれるような」や「急にエネルギーが湧くような」のような言い方になってしまう。

 最初の音から終わりの音まで全編これは「ロマンティック」の一言に尽きる。美しい部分は極めて美しい。言葉では表現できない。激しい部分は極めて激しい。言葉ではこれも表現できない。この曲だから、テンポの揺れや、どう歌うかはピアニストの意のままにできる。ピアニストは一人だから意のままに動くが、さて、オーケストラになると人数が多いからそうそう迅速な対応は難しい。

 以前、有能な若手のピアニストがソロを弾いていたのをテレビで見た。縦横無尽とも言っていいソロとオケがどうにもかみ合わず、表情だけを見ると明らかに指揮者が怒っているようにみえた。(見えただけで本当に怒っていたのかはわかない。)

 ラフマニノフ、恐るべし!(いや、ピアニスト、恐るべしか?)もし、心から極端な表現を演奏者が求めたら、そうできるのがラフマニノフともいえる。かな、と半信半疑なところもあるのだが・・・。しかしオリジナルの曲とは別に、この曲の美しいメロディーは映画の中にも使われて多くの人が知っているし、ファンも多い。ファンが多いのが指揮者には不安(フアン)になるかな・・・。

 この曲は演奏を聴いているときには、すごーく魅力的な魔法の力を持って聴く者をラフマニノフの世界に引き込んでくれる。スコアを見ながら聴いていると、魔法の力でソリストとどう合わせようかとか、どう折り合いをつけるかとかの闇の世界に引き込んでくれる、ウルトラ楽しい曲だ。

 出来るだけ前向きに生きようと心掛けている私には、厳しい慈愛に満ちた曲だとの思いを描くのが苦しい曲だ。と、何を書いているのか意味不明になってきたのでこの文は終りにします。いつもよりさらに迷走している文になりお詫びします。



 

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